今話題の代替医療「血液クレンジング・オゾン療法」の医学的エビデンス

血液クレンジングとは?

血液クレンジングを簡単に説明すると、患者さんから血液を一旦採血し
その中に医療用オゾンガスを混ぜた後、再び体内に戻す治療のことを言います。

オゾンを使うことからオゾン療法とも呼ばれることもあるわけですが、
このオゾンには殺菌作用があることが分かっています。

そのために血液の中の菌が死滅する効果を期待することができるわけです。

この血液クレンジングという代替医療が登場したのは、第1次世界大戦中の
ころと言われています。

治療する

負傷したドイツ兵のガス壊疽の治療のために用いられたようです。

また1935年には初めての医療用オゾンの発生器が作られました。
現在では最も盛んなドイツやイタリアでは、年間100万人以上の患者が
この治療を受けており、エリザベス女王の母君クイーンマムが、老化予防の
ために血液オゾンバイタル療法を行っていたことは有名です。

しかし、日本では欧米に比べ導入がずいぶんと遅れてしまい、最近になって
注目されるようになってきましたが、皮肉なことに、この医療用オゾンガス
発生器を世界に先駆けて作ったのは日本人だったのです。

代替医療の宿命として、その効果を疑問視する人が少なくなく、
日本ではそれが足を引っ張ってしまったようです。

オゾンの力とエビデンス

オゾンには安全に殺菌ができるために、産業用では水の殺菌などに幅広く
使われていましたが、これを医療に取り入れたのがオゾン療法です。

血液クレンジングは血液の中にオゾンガスを混ぜる治療法であることから、
このオゾン療法の一つに位置付けられ、大きな効果が期待できると主張
する人も少なくありません。

ただ、オゾンの効果はわかっていても、それを医療に活かせるのかどうか
については、実は医学的な効果や作用メカニズムも不明であり、はっきりと
したエビデンスがあるわけでもないのです。

効果が期待できる

確かに、採血した血液にオゾンガスを混ぜると、黒ずんだ血液が鮮やかな赤に
変わります。

しかし、本来血液というのは無菌であり、菌を侵入しても免疫によって
殺菌されるものです。

もし菌が残留してしまうと、菌血症や最悪の場合は敗血症となってしまいます。
つまり、オゾンガスが無くても殺菌力があるということです。

代替医療としてのオゾン療法は、医学的なエビデンスに乏しいということで、
今後も議論が続けられていくことになりそうですが、治療を行ったことにより
健康被害などは報告されてはいませんので、信じて治療にのぞむ方があっても
良いのでしょう。

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